こんにちは、内科のららぽーと横浜クリニックです。
寒い日が続きますが、お風邪はひいていませんか?

前回はめまい症の「回転性めまい」についてご紹介しました。今回はそのめまいシリーズ。第二弾!めまい症のひとつ、「浮動性(動揺性)めまい」についてご紹介したいと思います。

 

■体がフワフワとふらつく「浮動性めまい」

前回紹介した回転性めまいはグルグルと回る感じが症状として現れます。

しかし、浮動性めまいの場合は身体がふわふわと浮くような感覚やユラユラ揺れる感覚、自分で姿勢が保つのが難しくなり、まっすぐ歩くことが困難になる…といった症状が現れます。

 

■浮動性めまいの種類と原因は4つある

浮動性めまいの中でも4つのタイプに分かれます。
それぞれの種類により、原因が違うため、タイプによってはすぐに病院で診察を受けることが必要です。
 

●中枢性めまい

中枢性めまいは、脳の障害によって発症します。脳の中でも小脳や脳幹といった部分の障害によって発症し、脳梗塞や脳内出血などの病気が原因の可能性もあります。めまいに加え、激しい頭痛や嘔吐、手足のしびれや脱力感を伴う場合があります。そのような症状が出た際には、急きょ、大きめの病院で診察を受けてください。

 

●全身性めまい

全身性めまいは、身体の一部分の障害が原因で起こるものではなく、身体全体の問題から発症するものです。一番多い例は「自律神経失調症」と言われています。ちなみに、前回お話しした回転性めまいの多くも、自律神経失調症が原因と考えられています。脳幹は自律神経の大元であり、嘔吐反射や平衡感覚の神経も並んで存在しています。そのため、自律神経失調症になると平衡感覚がくるってしまい、フラつきやすくなります。他の原因としては、身近なものだと貧血や発熱などが原因である場合もあります。
 

●薬剤性めまい

何か薬を服用している人で浮動性めまいがある人は、薬の副作用によるものかもしれません。抗生物質や精神安定剤、降圧剤などで症状が出やすいといわれています。一度副作用を調べてみましょう。この薬剤性めまいは購入のし易い風邪薬等の市販薬(バファリン顆粒、コンタックかぜ薬、ルルなど…)でも出る場合があります。薬を服用していてめまいが出るという人は、一度医師や薬剤師に相談してみることをおすすめします。

●心因性めまい

耳や脳の病気でもなく、明確な原因を認めない場合は「心因性」と判断されます。これは精神的なストレスや自律神経の乱れが内耳や脳幹の機能に悪影響をもたらして発症すると考えられています。心因性めまいを治すためには、原因となっているストレスを取り除いてあげることが大切です。リフレッシュできる環境を整えられるようにしてみましょう。もし、長く続くようであれば、うつ症状や自律神経失調症に繋がってしまう場合もあるため、心療内科へ相談してみることもおすすめします。

 

 

■全て浮動性めまいが怖いわけではない

上で4つ並べて分かるように他のめまいだった場合はそこまで心配をしなくても大丈夫でしょう。
浮動性めまいは、脳が原因であることがあり、めまいと共に手足にしびれ、マヒ、歩行困難や意識障害が出た場合には、すぐに病院に行く必要があり、脳内部の病気や血管疾患が起きている可能性があります
​実際に、脳腫瘍や脳梗塞などの病気が原因だったことも多くあるので、めまいの他にも別の強い症状を伴った場合には注意が必要です。
しかし、その見極めを行うのは医師ですから、一度診察を受けるのが最も良いと考えられますね。

 

■浮動性めまいの検査

・問診

「何をしていて起こったのか」、「めまいを感じた時間やめまいの回数」、「めまいのほかにどういった症状がでたか」などを確認します。

・血液および血圧の検査

貧血や糖尿病、白血病などの血液の病気は、その症状のひとつとしてめまいを起こすことがあります。高血圧や低血圧でもめまいが起こることがあるため、血液や血圧を調べ疾患がないかを確認します。

・CT、MRI

めまいは脳の病気によっても引き起こされることがあるため、脳の病気が疑われる場合は、CTや MRI検査を行うことがあります。

・聴力検査

回転性のめまいを感じる場合には、耳が聞こえにくくなる場合があるため聴力検査が有効です。

・平衡の検査

身体のバランスをみる検査です。眼振検査や重心動揺検査などがあります。

眼振検査

めまいの検査として代表的なものです。めまいが起きた人は眼球が絶え間なく動いているため、物を注視した状態と注視しない状態での眼球の動きを調べます。

重心動揺検査

身体のバランス保持力を検査します。重心動揺計の検出台の中央に乗り、指定された方向を向いて立ちます。眼の前2~3メートル先に置かれた視標を60秒間じっと見させ、記録します。続いて、目を閉じて60秒間立ったままの状態で検査し、記録をします。

・温度刺激検査

仰向けになって30度に頭を上げた状態で、冷水や温水を耳の外耳道に注いで内耳の外側半規管を刺激する検査です。めまいに深く関係する前庭神経が正常に働いている場合、その方向に眼振が起き、水なら逆方向に眼振が起きます。
と、上記のように基本的には回転性めまいと同じ検査を行います。(もちろん、全て行うわけではないですよ)

 

■浮動性めまいの治療法

・ストレス解消

浮動性のめまいはストレスが原因の可能性が高いです。
ストレスをためないことは難しいかもしれませんが、できるだけストレスを解消するように努力しましょう。

・生活習慣の見直し

場合によっては薬が処方されることもありますが、浮動性めまいの多くか規則正しい生活やバランスの散れた食事、充分な睡眠などを意識することで緩和されます。
もし、ふわふわの浮動性めまいに加えて、呂律がまわらなくなったり、片手に力が入らなくなったら、脳梗塞などの脳に異常がある可能性あります。すぐに病院に行きましょう

 

■最後に…

いかがでしたか?
前回の「回転性めまい」に引き続き、「浮動性めまい」について紹介しました。
回転性めまいはグルグル回るようなめまいですが、浮動性めまいはフワフワと雲の上を歩いているようなめまいです。
症状として、激しい頭痛、肩や首の凝り、顔面や手足のしびれ、呂律がまわらない、運動麻痺などが起こります。
回転性めまいは重い症状だと主に耳と関係した症状がでますが、浮動性めまいは脳に関係した症状が起こります。

回転する感じや耳鳴り、難聴はおこりませんので、出た症状によっては回転性めまいと比べるとわかりづらいかもしれません。
呂律が回らなくなったり、手足のしびれが起こると脳梗塞など脳に異常がある可能性がありますので早めに病院を受診してください

※2018/03最終更新

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