こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。

皆さんのご家庭には病院で処方された薬が余っている…なんて方もいるかもしれません。特に風邪薬は家族同じ症状の風邪を引いたときに飲ませればいいや…と思いがちですが、処方薬にも大体の使用期限というものがあります。

特に、病院の処方薬は市販薬とくらべて使用期限が短くなっている場合があります。

今回は「薬の賞味期限」についてご紹介したいと思います。

 

一般的な薬の保存期間は?

基本的に内服薬は未開封の状態だと製造してから2-3年程度は保存できるように、品質を確認する試験をおこなっています。

ただし、この使用期限は、一定範囲の温度で保管し未開封の場合に適応されるものです。一度開封してしまうと分解速度が早まり、品質や性状の変化も早まります。

さらに、保管状態によっては、有効成分に変化が起き効能が低下するものや、有害なものに変化する危険性も考えられますので使用期限を過ぎた薬は安全を考えて飲まないようにしましょう。

では、薬が3年持つ条件とは一体何なのでしょうか?

 

条件と保管場所

保管場所は一般的に、室温(1~30℃)で高温・多湿・直射日光を避けて保存しましょう。特に、梅雨時期の湿気や冬の暖房器具による高温にも注意が必要です。また、薬には冷蔵庫で保存が必要な薬剤もあります。

ただし、指示がない時に冷蔵庫で保管すると湿気や乾燥などにより成分が変わってしまうこともあるため保管方法をしっかりと守りましょう

では、実際の使用期限とはどのくらいなのでしょうか。薬別に見てみましょう?

 

薬別の使用期限

上記が開封した場合のおおよその使用期限になります。では、使用期限が切れた薬は服用しても問題ないのでしょうか?

 

使用期限切れのお薬は飲んでも大丈夫?

薬は製造された時点から少しずつ効能が徐々に弱くなっていきます。薬の効能が全くなくなるわけではありませんので自己責任での服用には問題ありませんが、まれに毒性を帯びて有害な物質に変質していく薬もあるので要注意です。

次に、使用期限が切れたら危険な薬を紹介します。

 

使用期限が切れたら危険なお薬の例

抗生剤

テトラサイクリン系の抗生剤は時間が経って変性し服用すると、「ファンコニ症候群」という重大な腎障害を引き起こすことがあります。病院で処方された抗生剤は飲みきれなかったら処分しましょう。


胃腸薬

身近な胃腸薬ですが、変質しやすい生薬や消化酵素が多く含まれているので使用期限や保管場所には十分注意が必要です。


シロップ剤やドリンクなどの液体の飲み薬

細菌が繁殖し変質しやすいので飲み残したものは処分しましょう。


目薬

空気中の雑菌が混入し、腐敗を起こす可能性があります。開封して4週間以上たったら、「感染」を引き起こす危険があるため処分しましょう。


アスピリン

アスピリンは時間がたつと防腐剤にも使用されている、有害物質のサリチル酸に分解され胃腸障害が起きやすくなりますので使用期限をしっかりと守りましょう。

 

このようにお薬によっては使用期限を守らないと恐ろしい事故につながる場合があります。
使用期限の切れたお薬は使用せず処分しましょう!



最後に…

いかがでしたか、うっかり飲んでしまっていた…なんて方もいるのではないでしょうか?。

風邪薬などはついつい「また風邪をひいたら飲めばいいや」と思い、取っておいている方も多いと思います。しかし、薬によっては思わぬ事故につながってしまう場合がありますので注意しましょう。

薬の保管場所を一度見直してみてください。そして、1年に1回は薬箱を整理し、使用期限切れの薬は処分するようにしましょう。