巻き爪にならないためには、なってしまったらどうすればいいの?
こんにちは、横浜市皮膚科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は前回続きです。前回のブログでお話ししきれなかった、辛~い巻き爪の対処法や手術法についてご紹介していきます。
巻き爪の対処法(軽度の場合)
○爪切り(スクエアカット)
爪が短かったり、端が丸くなっていると、指の肉に爪が食い込みやすくなるので巻爪になりやすくなります。爪を切る時は四角くカットすることで、巻き爪予防になるだけでなく軽度の状況で改善させることができます。
○コットンパッキン
お風呂上りなどの爪が柔らかくなっているときに、乾いたコットンを米粒位に丸め、ピンセットで爪の角と肉の間に入れます。食い込んだ爪を指の外に出すように持ち上げましょう。この作業のことをコットンパッキンと言います。
コットンパッキンをすることによって、爪と肉の間に隙間ができます。これを繰り返し行うことで、爪の角が上に伸びて肉が刺さらなくなります。
※一度にたくさんの綿を詰め過ぎないことに注意してください。無理に詰め込むとトゲ状の爪が折れてしまい、皮膚の中に残り化膿する恐れがあります。
○テーピング
伸縮性のあるテーピングを用意します。
テープの端を出来るだけ爪の横ギリギリの所に貼り、爪と皮膚の間を広げるように強く引っ張りながら指の下を通り反対へ回します。指の下から回したテープを今度は指の上を斜めに回しながら引っ張ります。最後は指の上に貼って終わりです。反対側も同様に貼って下さい。
このテーピング法のコツは最初に引っ張り初めてから最後まで力を緩めない事です。また、この方法以外にも痛みのある爪と皮膚の間にテープを挟む事で痛みを緩和する方法もあります。
<手術の種類>
○フェノール法
肉にくい込んでいる爪を部分的に除去し、爪の根元を薬品(フェノール)で変性させて、その部分の爪を生えなくする治療です。爪の変形が高度でなく、食い込んでいるだけの場合は抜爪術で対応します。炎症が起きている状態でも施行できます。
○弾性ワイヤー法
巻き爪に対する痛みのない治療です。
爪の2か所(皮膚から飛び出た部分の爪)に穴をあけて、特殊合金製のワイヤーを通し、そのワイヤーの元に戻ろうとする力を利用して巻き爪を矯正します。
穴をあけるために爪を伸ばす必要があるため爪の白い部分を2~3mmのばしてから来院する必要があります。
○爪母部分切除法
メスを使って、爪母(爪を作っているところ)を切除することで巻き爪の原因となっている爪の部分を2度と生えてこないようにする手術です。これには、尾郷法(おごうほう)と鬼塚法(おにつかほう)の2種類があります。
尾郷法
最近の主流の手術法です。爪の横を5ミリ程切開して、爪母を切除します。
術後の痛みは鎮痛剤を1~2日服用すれば問題ない程度で手術当日から仕事ができ、手術翌日にはシャワーや入浴も可能になります。切除した爪の幅が少なく、術後の爪の見栄えも綺麗です。
鬼塚法
爪の横を大きく切除します。術後の痛みや出血もあり、入院が必要な場合もあります。痛みは1週間程続き、鎮痛剤の服用、点滴など必要になります。また、爪の幅もかなり細くなるので術後の見栄えが悪くなります。今は、ほとんど行わなくなった方法です。
○爪母全切除法
爪母を全て切除する手術法。爪自体がなくなり、爪が生えてこなくなります。
手術は、30分から1時間程度。重度な巻き爪や、フェノール法などの治療を行っても再発してしまった場合などの「最終手段」の手術になります。
まとめ
巻き爪は初期段階での治療が重要です。初期段階で治療ができれば悪化させることもなく短時間で治療ができます!
悪化してしまうと、歩くのも辛くなるほどの痛みや炎症が生じ、日用生活に支障をきたすことも少なくありません!ですから、症状を自覚したら早めに治療をはじめましょう。
まずは、爪の切り方や自分にあった靴を履くなど、巻き爪にならないように日頃から気を付けることが大切です。
自身での対処法がわからない方は、一度病院を受診することをお勧めします。
勿論当院でも巻き爪の手術を行っています。手術方法は医師が症状を見て判断しますが、今回紹介した中では爪母部分切除法が多いです。本当に辛くなる前に違和感を感じたらまずは相談するのも一つの手かもしれませんね。