こんにちは。横浜市都筑区にある、ららぽーと横浜クリニックです。
ふと鏡を見ると顔にニキビが…という経験、みなさん一度はあるのではないでしょうか。当院は皮膚科の診察も行っていますが、ニキビで困って来院する患者さんはとても多いんですよ。
今回は皆さんも気になるであろう「ニキビ」についてのお話です。
ニキビの病名は「尋常性ざ瘡」?
顔にブツッとしたものができたとき、皆さんは何と呼びますか?
年齢が若いうちにできるものは「ニキビ」、成人以降にできたものは「吹き出物」と呼んでいる方が多いかもしれません。ですが、実はこのような呼び方は俗称なんです。正式な病名はあまり耳にしたことはないと思いますが「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と言うんですよ。知っていましたか?
では、老若男女にできるこのニキビ、なぜ突然現れてしまうのでしょう?
ニキビはどうしてできるの?
毛穴の奥にできる慢性の皮膚疾患です。
まず毛穴に皮疹ができ、皮脂が溜まったり、アクネ菌(皮膚上に多く存在し、皮脂を栄養にしている菌)が増殖すると炎症が起きニキビとなってしまいます。
他にもシャンプーやリンスなどの十分なすすぎが出来ていない、栄養バランスの悪い食生活をしている、ホルモンバランスの崩れ、ストレス…など様々な原因があります。
しかもニキビがいつも同じ場所にできる…という方もいるのではないでしょうか?ニキビの出来やすい場所とは?そしてその原因は一体何なのでしょうか。
ニキビのできやすい場所と原因は…
1.生え際 … シャンプーやリンスなどのすすぎ不足、ストレスなどがあげられます。
2.Tゾーン … 皮脂線が発達しているため、ニキビが出来やすい場所になります。原因としてホルモンバランスの乱れ、前髪の雑菌が付着することがあげられます。
3.鼻 … 毛穴が多く、皮脂の分泌が盛んな部分になります。原因として想定されるのは、手穴の汚れを洗い流せていない事、ファンデーション、紫外線、などの刺激でターンオーバーが乱れて毛穴が詰まることが原因になります。
4.頬 … 男性は男性ホルモンの影響でニキビができやすい場所です。女性の場合はさらに2つの原因の可能性があります。乾燥、冷え、ホルモンバランスの乱れによる過剰の皮脂分泌です。もうひとつ要注意なのは、不潔な寝具、バスタオルによる雑菌です。
5.フェイスライン … ホルモンバランスが乱れることでニキビができやすい代表的な部分です。 加えて、あごはストレス、冷え症など体の内部から来る要因でニキビができやすい部位です。ストレス、生理前のホルモンバランスの乱れ、頬杖など無意識に顔を触わって付着する雑菌、洗顔の洗い残しが挙げられます。
6.口まわり … 栄養バランスの悪い食生活、飲みすぎと食べすぎによる胃腸機能の低下、肌の乾燥、ホルモンバランスの乱れが主な原因です。
7.背中 … 皮脂の分泌量が多いため、毛穴がつまりやすい場所です。シャンプーのすすぎ残しなども原因になります。
8.おしり … お尻もニキビの出来やすい場所の一つです。お尻は椅子に座るなど、日々の重量や摩擦に耐えているため、角質も厚くなっており、ニキビができやすい条件にあてはまります。下着の素材によって、蒸れてしまったりすると、ニキビができやすくなります。また、きつい下着を着用して血行不良をおこすこと、角質肥厚もお尻のニキビの主な原因です。
9.胸元 … 鎖骨からみぞおちにかけてのVゾーンは汗をかきやすく、皮脂分泌も活発なので、ニキビができやすい場所です。皮脂量が多い部分は、他よりも、2~3倍も皮脂が分泌され、毛穴が詰まりやすいことがニキビの原因です。そのため、胸元は、常に清潔に保つ必要があります。
10.頭皮 … シャンプーのしすぎ、髪が濡れたままでの就寝などが頭皮ニキビの原因と考えられます。
と、場所によって様々な原因があることがわかりましたね。
このように色々な場所に出来るニキビですが、それぞれ見つけるごとにニキビの“状態”が違うな、と気付いたことのある方はいるでしょうか?実はニキビには種類があるんです。
ニキビは状態によって種類が違う!?
ニキビはそのできものの成長段階で呼び名が変わってくるって知っていましたか?
成長段階と一緒に追って見てみましょう。
尋常性ざ瘡を、成長段階で分けた種類の呼び名
微小面皰(びしょうめんぽう) … ニキビのほんの出来始めの状態のことをいいます。目に見えない大きさのものもたくさんあります。
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面皰(めんぽう) … ニキビが肉眼で確認できるようになったもの。
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白ニキビ … 毛穴に皮脂が詰まって盛り上がり、白い点に見えます。白ニキビの毛穴が開いてくると、酸化した皮脂などによって黒く見えることがあります。
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黒ニキビ … ニキビの出来た毛穴の出口が空いた状態で、毛穴に皮脂などが溜まり黒く見えます。
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赤ニキビ … 白ニキビが赤く炎症を起こした状態。アクネ菌が皮脂を栄養にして増殖しています。
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黄ニキビ … ニキビの内、出口がふさがれて炎症を起こした毛穴の内部に、膿が溜まったものです。
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丘疹(きゅうしん) … ほぼ、白ニキビから赤ニキビの状態のニキビが発生し、そのニキビが盛り上がった状態をいいます。
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膿疱(のうほう) … 赤ニキビから黄ニキビの状態のニキビが発生し、ニキビ内部に皮脂や膿が溜まって膨らんだ状態のものをいいます。
このように、ニキビは成長過程の見つけるタイミングによって呼び方が違ったんですね。皆さんは当てはまるものがありましたか?
さて、ここまでニキビのについてを話しましたが、ニキビが成長することを食い止める…むしろ、ニキビが出来ないような体を作る為にはどうしたらいいのでしょうか?
ニキビの対策は?
①洗顔
皮脂が溜まったり、毛穴が詰まったりすると炎症の原因になってしまいます。ただし、洗顔のしすぎは肌の乾燥を招き、肌のバリア機能低下に繋がってしまいますので、1日に2回程にしましょう。
②食事
普段の食生活を見直すこともニキビ対策に有効です。 下のような食材にはいくつか簡単にご紹介します。
ビタミンA … にんじん、ホウレンソウ、カボチャ、しその葉、うなぎ、レバーなど
└毛穴の詰まりを解消し、お肌のターンオーバーを促す。また、皮膚や粘膜のうるおいを保つ。
ビタミンB₂ … 卵、乳製品、レバー、うなぎ、藻類など
└角化を調整し、皮脂の分泌を抑制する。肌の状態を正常に保つ。
ビタミンB₆ … まぐろ、かつお、鶏ササミ、にんにくなど
└新陳代謝を促し、新しい肌の形成に関わる。ビタミンB₂と共に皮脂の分泌を抑制する。
ビタミンC … 緑黄色野菜、果実、芋類など
└コラーゲン線維の生成促進、メラニンの生成抑制、抗酸化作用で美肌を保つ。
ビタミンE … レバー、うなぎ、かつお、緑黄色野菜など
└高い抗酸化作用を持ち、血液の循環を改善する。ビタミンCとの相乗効果が高い。
生活習慣・食生活を改善していくなど、色々と対策の余地はありそうですね。自分で変えていけるところから変えてみましょう。
とはいえ、絶対にニキビの出来ない体を作るのはなかなか難しいと思います。ニキビが出来てしまったとき、どのように治療していくのが良いのでしょうか?
治療法
一般的には、抗菌作用のある塗り薬を使用します。塗るタイミングや量、回数は必ず医師の指示通り使用しましょう。ニキビの治療薬は、塗布したあと紫外線に当たってはいけないものがありますので注意が必要です。
また、症状によっては飲み薬を併用します。飲み薬は抗菌薬の他、漢方薬が選ばれることもあります。
ニキビを潰すと早く治るからと自分で潰してしまうのはNGです。特に手指の爪で潰すと周辺の皮膚にまで傷をつけてしまい、そこに指の雑菌が付着して炎症を起こす可能性がありますし、深く傷つけてしまえばクレーター状の跡が残ってしまう恐れもありますので、自分で潰さず、気になったら皮膚科のある病院に受診しましょう。
まとめ
今回はニキビについていろいろと解説しました。
ニキビの正式な病名は「尋常性ざ瘡」といい、出来はじめに治療、対策することが重要です。顔の洗い過ぎにも注意をしましょう。
ニキビの治療には時間がかかりますが、根気よく続ければ症状の改善が期待できます。当院でもニキビの方の治療を行っていますので、悩まれている方は一度相談にいらしてください。