こんにちは。暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。前回の記事を読んで「この時期にビールが飲みづらくなった…」なんてことはないでしょうか・・・? 注意すべきは「飲み過ぎ」です。節度を守ってグイッとビールの時期を楽しみましょう!

「それでも痛風になってしまった…。」そんな方のために今回は前回の記事に続き「痛風の治療方法」についてご紹介します。

 

痛風の治療方法

・もし痛風になってしまったら…

もしも痛風発作が起きてしまったらどうすれば良いのでしょう。痛風の治療薬には、痛みそのものを抑えるものと、痛風の根本的な原因である高尿酸血症を改善するものの2種類があります。

発作が起きてしまったら、まず初めに抗炎症薬を使って痛み・炎症を抑えます。その後尿酸降下薬の使用や食事療法によって高尿酸血症の治療をします。

なぜ先に痛風の発作を抑えるかというと、発作中に尿酸降下薬を使用すると関節炎が悪化することがあるからです。これは急激な尿酸値の変動が、尿酸塩結晶による炎症反応に寄与すると考えられています。

では薬物治療について具体的に説明していきましょう。

 

①抗炎症薬による関節炎治療

痛風発作が起きている患者さんには、まず一般的にはロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)・ナプロキセン(ナイキサン)・ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)などの非ステロイド性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs=NSAIDs;わかりやすく言うと、痛み止め)を投与します。その後、腫れや赤みが引いて通常の歩行程度では痛みを感じなくなってきたら投与を中止します。ただし、NSAIDs(エヌセイズ)をあまり早期に中止すると発作が遷延化したり繰り返すこともあるため、間違っても自己判断で中止しないようにして下さい。

他にも腎機能障害や胃潰瘍等消化器症状があってNSAIDsが使用できない場合、遷延的或いは短期的に繰り返して痛風発作を起こしている場合、NSAIDsによる抗炎症効果が著しく乏しい場合などには、プレドニゾロン(プレドニン)などの副腎皮質ステロイド薬を用いることもあります。

また、短期間に頻回に痛風発作を繰り返す患者さんに対しては、1~2か月程度を目安にコルヒチンを継続的に予防投与していく「コルヒチンカバー」と呼ばれる方法も有効とされています。

 

②尿酸下降薬による高尿酸血症治療

痛風発作が落ち着いたら、そもそもの原因である高尿酸血症の治療を開始します。

尿酸降下薬は、その作用によって、アロプリノール(ザイロリック)・フェブキソスタット(フェブリク)などの尿酸生成抑制薬とベンズブロマロン(ユリノーム)・プロベネシド(ベネシッド)などの尿酸排泄促進薬の2種類に分けられます。尿酸は、そのほとんどが体内で産生され、尿や便から排泄されると説明しましたが、この体内での産生量が多い「尿酸産生過剰型」の患者さんに対しては尿酸生成抑制剤を、排泄量が少ない「尿酸排泄低下型」の患者さんには尿酸排泄促進薬を投与することで、尿酸値を下げていくのです。

 

と、ここまで薬物治療について説明してきましたが、いくら薬を飲んでも自身の生活習慣を見直さなければ同じことの繰り返しです…。前回の記事を参考に、内服治療をされている方は生活習慣を見直してさらなる改善をはかりましょう

2回にわたってご紹介した「痛風」について、少しはご理解頂けたでしょうか。

ららぽーと横浜クリニックでも、痛風患者さんの治療も行っています。健康診断などの採血で尿酸値が高めの方、関節が痛くなることが多い方(もしかして痛風?)はまずはお気軽にご相談下さい。

 

 

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