ぐるぐる目が回る?~回転性めまい~

印刷用ページ[2017/11/15] 内科

こんにちは、横浜市内科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんはめまいを経験したことはありますか?
お風呂上りや急に立ち上がったりした際にめまいを感じたことがある方も多いのではないでしょうか…
今回は、そんな身近な「めまい」についてお話したいと思います。

 

■めまいの種類

めまいには大きく分けて3種類あります。

「回転性めまい」
「浮動性(動揺性)めまい」

です。
2つまとめて紹介してしまうととても長くなってしまうので、今回は「回転性めまい」にスポットをついてご紹介したいと思います。

 

■ぐるぐると目がまわる「回転性めまい」

自分は動いていないにも関わらず、自分や周囲(天井や壁など)がぐるぐる回っているようなめまいを「回転性めまい」といいます。なったことがない方にも想像しやすいように例えれば、コーヒーカップに乗っている時のような感覚です。ずっとあの状態が続くと考えると気持ち悪くなってしまいますね
では、回転性めまいがあると、どんな症状が現れるのでしょうか?

 

■回転性めまいの症状

・音が聞こえづらい(難聴)
・耳がつまった感じ
・耳鳴りがする

など…

上記を見てもらえればわかるように主に回転性めまいは「耳」の異常が原因でめまいを引き起こします
ただし、酷い時には吐き気や嘔吐などの症状が現れる場合もあります。

 

■疑われる病気と原因

・良性発作性頭位めまい症

内耳の耳石器にある耳石が剥がれ落ちることで起こります。頭を動かすことで回転性のめまいが起こりますが、数十秒で治まります。


・前庭神経炎

前庭神経炎の多くは、風邪やウイルス感染などの後によく発症します。
突然、回転性の激しいめまいが起こり、症状が2~3日続いた後、徐々に症状は軽くなります。ただし、立ちあがった時や歩行時のふらつきは長期間続くことが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。

*特徴として耳が聞こえにくいなどの難聴や耳鳴りを伴わないことが特徴にあげられます。

 

・メニエール病

ストレスや疲労で起こることが多い病気で、内耳に障害が起こることで発症します。激しい回転性のめまいを繰り返し、難聴や耳鳴りを伴います。聴力が低下する可能性もあり注意が必要です。

 

・突発性難聴

音を信号に変換し脳に伝える神経系(内耳や大脳)に異常が発生し、突然片側の耳の聞こえが悪くなる疾患です。
約3割にめまいが起こりますが、1時的なもので、繰り返すことはありません。

*メニエール病や突発性難聴は上記2つの病気と違い、めまいと共に耳鳴りや耳の聞こえにくさを伴うことが特徴です。

 

■回転性めまいの検査

・問診

「何をしていて起こったのか」、「めまいを感じた時間やめまいの回数」、「めまいのほかにどういった症状がでたか」などを確認します。

・血液および血圧の検査

貧血や糖尿病、白血病などの血液の病気は、その症状のひとつとしてめまいを起こすことがあります。高血圧や低血圧でもめまいが起こることがあるため、血液や血圧を調べ疾患がないかを確認します。

・CT、MRI

めまいは脳の病気によっても引き起こされることがあるため、脳の病気が疑われる場合は、CTや MRI検査を行うことがあります。

・聴力検査

回転性のめまいを感じる場合には、耳が聞こえにくくなる場合があるため聴力検査が有効です。

・平衡の検査

身体のバランスをみる検査です。眼振検査や重心動揺検査などがあります。

眼振検査

めまいの検査として代表的なものです。めまいが起きた人は眼球が絶え間なく動いているため、物を注視した状態と注視しない状態での眼球の動きを調べます。

重心動揺検査

身体のバランス保持力を検査します。重心動揺計の検出台の中央に乗り、指定された方向を向いて立ちます。眼の前2~3メートル先に置かれた視標を60秒間じっと見させ、記録します。続いて、目を閉じて60秒間立ったままの状態で検査し、記録をします。

・温度刺激検査

仰向けになって30度に頭を上げた状態で、冷水や温水を耳の外耳道に注いで内耳の外側半規管を刺激する検査です。めまいに深く関係する前庭神経が正常に働いている場合、その方向に眼振が起き、水なら逆方向に眼振が起きます。
と、上記のように回転性めまいの診断には様々な検査があります。(もちろん、全て行うわけではないですよ)

 

■回転性めまいの治療方法

『疑われる病気と原因』で簡単に紹介しましたが、回転性めまいの特徴として「耳鳴りや難聴が伴わないタイプ」と「耳鳴りや難聴が伴うタイプ」があります。それぞれ原因となる病気が違い、治療方法も変わってきますので、それぞれに焦点を当てて治療方法をみていきましょう。

●耳鳴りや難聴を伴わないタイプ

【良性発作性頭位めまい症】

・頭位治療

耳石やタンパク質などの粒子を三半規管の外に移動し、リンパ腺の流れを改善して、めまいを起こりにくくする治療です。
フレツェル眼鏡(目の焦点が合わないようにするために使用する検査用の特殊な眼鏡)をかけた患者さんの目の動きによって浮遊する耳石やタンパク質などの粒子の位置を推測しながら、頭をゆっくりと動かし、 耳石などを管から排出します。
1回の治療で改善する方もいますが、平均2~3回の治療で改善します。

・薬物治療

症状を和らげるために、
内耳の血流を改善する「循環改善薬」
めまいそのものを抑える「抗めまい薬」
めまいへの不安やストレスが強い場合には「抗不安薬」
などを服用します。

・運動による改善

めまいが続いても、安静にするのではなく、日常生活の中で、積極的に体を動かしたり、ウォーキングやヨガなどの運動をすることも症状の改善につながります。

【前庭神経炎】

・薬物治療

めまいそのものを抑える「抗めまい薬」
めまいへの不安やストレスが強い場合には「抗不安薬」
めまい、ふらつきを抑える「ステロイド薬」などが処方されます。

・安静

 

●耳鳴りや難聴を伴うタイプ

メニエール病や突発性難聴などの可能性があり、こちらのほうがより重症といえます

・ストレス解消

患者さんの約8割は、ストレスをきっかけに発症しているためストレス解消を心がけましょう。

・薬物治療

水ぶくれの状態を軽減させる「利尿剤」
内耳の血流を改善する「循環改善薬」
めまいを抑える「抗めまい薬」
ストレスの軽減に「抗不安薬」
内耳の炎症を抑えてめまいや耳鳴りを抑える「ステロイド薬」
内耳の感覚細胞を麻痺させることでめまいを抑える「ゲンタマイシン」
などが処方されます。

 

■最後に…

いかがでしたか?

今回はめまい症の中の「回転性めまい」について紹介しました。自分が動いていないのにもかかわらず、景色がグルグルと回るようなめまいのことを言います。回転性めまいの原因の多くは耳にあり、「耳鳴りや難聴が伴わないタイプ」と「耳鳴りや難聴が伴うタイプ」の2種類に分けられます。

治療方法は症状により異なりますが、頭位治療、運動療法、ストレスの解消、薬物治療が主になります。耳に原因がある場合が多い為、詳しい検査は耳鼻科になりますが、当院の内科でも診察可能ですので、めまいに悩まれている方、お気軽に当院までご相談ください。

その他のめまいはまた今度、めまいブログ第二弾として「浮動性(動揺性)めまい」についてご紹介したいと思います。


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