こんにちは。横浜市胃腸科肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
暑い日も多くなって、皆さんは体調を崩していませんか?
私も夏バテを起こさないようにしっかり体調管理を行い、夏を乗り切ろうと思います!

さて、今回のテーマはズバリ…ピロリ菌です。

当院では年間6000件以上胃カメラを行っています。胃カメラでは、同時にピロリ菌の検査もでき、陽性反応があった方はピロリ菌の除菌治療(内服薬)が可能です。
2017年現在、保険適用で除菌ができるのは2回(2次除菌)までとなっておりますが、まれに二次除菌まで行ってもピロリ菌が消えない方もいらっしゃいます。

ピロリ菌の2次除菌も不成功に終わった場合、永遠にピロリ菌が胃に居続けることになるのかというと、実はまだ除菌のチャンスはあります。保険適用外にはなりますが、3回目の除菌を行うこともできるのです。

ピロリ菌についてはこちらの記事も読んでみてください!
ピロリ菌感染、高率で胃がんに(経鼻内視鏡.jpのブログ記事)
ヘリコバクターピロリ菌はいるか? 尿素呼気試験で判定(ららぽーと横浜クリニックのブログ記事)

 

ピロリ菌とは?

ピロリ菌は胃の粘膜に棲みついて、毒素を出し胃に炎症を起こします。子供の頃に感染し一度感染すると、除菌しない限り胃の中で生息し続けます

子供の頃から胃が炎症を起こし続けることで萎縮性胃炎になったり、胃がんになる確率が5~10倍以上になるといわれている恐ろしい菌です。

内視鏡検査などにより感染が確認されたあとは、薬を1週間内服することでピロリ菌を除菌することが出来ます。ただし、飲めば必ず除菌ができるわけではなく、人によっては1度では除菌できず、2度目の除菌薬を服用する人もいます

 

1次除菌・2次除菌、成功率はどれくらい?

ピロリ菌の除菌は、胃酸を抑える薬(PPI)と2種類の抗菌薬の計3種類を1日2回、7日間連続で服用します。1次除菌で7割以上の人が除菌に成功します。

1次除菌が不成功だった場合は、薬の種類を変えて2次除菌を行います。2次除菌で9割以上の方が除菌可能と言われています。

多くの方は2次除菌までで除菌できますが、ごくまれに除菌不成功のケースでは、3次除菌を行います。

では、3次除菌はどのようなものでしょうか。

 

3次除菌の検査方法は?

基本的には1次除菌・2次除菌と同じ手順で行われます。1次除菌で失敗になった場合、2次除菌では同じ薬は使われず、処方の内容が変更になります。3次除菌も同じく、抗生剤などが変更になって処方されます

当院で出している処方の例で説明をしてみましょう。

★当院の三次除菌の例

ネキシウムカプセル20mg×4T(毎食後と就寝前)

フラジール内服錠250mg×2T(朝食後と夕食後)

グレースビット錠50mg×4T(朝食後と夕食後)

上記のように組み合わせた胃酸を抑える薬(PPI)と2種類の抗菌薬の合計3種類の薬剤を10日間服用します。

その後は2次除菌までと同様、内服終了してから4週間以上空けて呼気試験(息をふくだけでピロリ菌の有無を調べる検査)にて除菌判定を行います。

2次除菌までと大きく違うのは、3次除菌は保険診療外であることです。そこまでして3次除菌をする必要はあるのでしょうか?

 

3次除菌は必要なの?

必要なのか、となるとはっきりと言えないのが現状で、実は、3次除菌に関しては、明確に確立された方法は存在していないと言われています

しかし、ピロリ菌はいるだけで胃がんになる率が5~10倍以上高まることが分かっています。そのリスクを考えると、3次除菌に挑戦してみる価値は十分あると言えるでしょう

保険適用外になるため、除菌薬の処方せん料・薬代・除菌判定・結果説明の全てが全額自己負担の診療となります(約30000円)が、当院でも3次除菌をお勧めすることは多いです。

 

3次除菌の副作用

1次除菌、2次除菌と同様に、3次除菌治療に処方される3種類の薬の内の2種類が抗生剤なので、ピロリ菌の除菌治療では副作用が現れやすいと言われています。
患者さんの体質・体調によって、以下の様な症状が出現することがあります。

その他に、肝機能障害も確認されていますが、自覚症状はほぼありません。
痒みや発疹、発熱などのアレルギー反応があらわれた場合には注意が必要ですので、すぐに医師にご相談ください。

 

1.軟便、軽い下痢などの消化器症状や味覚異常が起きた場合

自己判断で服薬を止めてしまったり、量を変更したりせず、最後まで服薬してください。
下痢や味覚異常の症状が、かなり悪化した場合は迷わずご相談ください。

2.発熱や腹痛を伴う下痢、

下痢に粘液や血液が混ざっている場合、または発疹の場合は、すぐに薬を飲むのを中断し、医師にご相談ください。

ピロリ菌の除菌薬に限らず、どんな薬にも副作用は存在します。
除菌薬による副作用のリスクと、今後の胃がん発生のリスクを比べると・・・やはり3次除菌に挑戦することには意味があるのではないかと思います。

 

最後に…

ピロリ菌は胃の粘膜にくっつき、毒素を出して胃に炎症を起こします。ピロリ菌を持っている人は、慢性胃炎だけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍にもなりやすく、潰瘍が一時的に治癒しても約7割の方が1年以内に再発すると言われています。

がんの発生率もピロリ菌のいない人と比べるとぐっと高くなります。また、ピロリ菌による慢性的な炎症により、萎縮性胃炎・胃過形成ポリープなどを引き起こすと考えられています。

当院でも1次・2次除菌はもちろん、ピロリ菌の3次除菌が可能です。健診でピロリ菌がいると指摘された方、今までに胃カメラを受けたことがないという方、ぜひ一度ご相談ください

 

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