感染性胃腸炎は「胃腸風邪」とも呼ばれます

印刷用ページ[2017/04/15] 胃腸科

こんにちは、横浜市胃腸科肛門科のららぽーと横浜クリニックです。

皆さんは咳や喉の痛み、鼻水といった風邪の症状はないものの、下痢や吐き気、発熱といった症状が出て病院を受診した経験はないでしょうか?

今回はそのような症状がでる「胃腸風邪」についてお話したいと思います。

 

■胃腸風邪とはどんな病気?

胃腸風邪とは正式な病名では「感染性胃腸炎」のことで、ウイルスや細菌によって胃腸が炎症を起こしてしまう病気です。風邪という名前がついているため、「たいしたことない」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

間違った治療法で症状が長引いてしまうことや、他の人にうつしてしまうリスクもあるんです。

感染性胃腸炎という名の通り、風邪のようにどこからか感染してくる病気ですが、具体的な原因はいったいどんなものなのかを見ていきましょう。

 

■胃腸風邪の感染経路

1.食べ物の摂取(経口感染)が感染経路

胃腸風邪の原因は、ウイルスや細菌が体の中に入ってくることで起こります。原因となるウイルスは、ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどが知られています。

細菌は、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、大腸菌O-157などが挙げられます。これらのウイルスや細菌に汚染された食べ物を摂取することで体内に入ってきます。夏場に起こりやすいのが、細菌性の胃腸炎で、食べ物が傷んだり、十分に洗浄や加熱がされていないと細菌が体内に入ってきて症状が出ます。ウイルス性の胃腸風邪は冬に起こりやすいと言われていて、二枚貝などにいるウイルスが原因となります

 

2.接触感染

ウイルス性の胃腸炎の場合は、感染者に接触したり、嘔吐したものに触れたりした際に、ウイルスが口の中に入ってしまうと感染する場合があります(まあ、これも経口感染ですね)。もし、看病する際は、自分も十分手洗い、うがいをしましょう

 

3.免疫力の低下

ウイルスや細菌が体内に入ったとしても、感染する人と感染しない人がいます。それは感染症の抵抗力となる免疫力が違うからです。免疫力が弱っていれば、体内に入ってくる細菌が悪さをするのを止められず、胃腸炎を発症してしまいます

…次は感染性胃腸炎の症状をお話します。

 

■胃腸風邪の症状

●腹痛

一番強く現れる

症状が腹痛です。立っていられないほど痛みが強かったり、長引いたりするときは、胃腸風邪の可能性が高いです。

 

●嘔吐

胃腸風邪では、嘔吐がある場合がほとんどです。胃の中に入った細菌やウイルスを、体が外に出そうとして嘔吐します。辛いですが、我慢せずに吐き出した方が楽になります。その方が治りも早くなります。ただし、吐瀉物から胃腸風邪を他の人に移してしまうことがあるので吐いた後の処理には注意して下さい。処理するときは手袋をして、終わったらよく手を洗うことが重要です

 

●下痢

胃腸風邪で起こる下痢は、水っぽいのが特徴です。嘔吐が起こるのと同じで、体内から細菌やウイルスを出すために体が反応して下痢をします。こちらも辛いですが、我慢せずに出した方が楽になります

 

●発熱

胃腸風邪では、発熱が出る場合があります。ただし、何の菌やウイルスに感染しているかで、熱の出方が違います。ほとんどの場合は微熱程度であまり熱は上がりませんが、アデノウイルスやサルモネラ菌に感染すると高熱が出ることがあります。もし高熱が続く場合は、胃腸風邪にかかっていることで免疫力が下がって他の病気を引き起こしている可能性も考えられます

 

●その他

体のだるさ、関節痛、頭痛、悪寒など一般の風邪と同じような症状がでることがあります。

 

■胃腸風邪の症状が続く期間

辛い症状の多い胃腸風邪ですが、治るのにどのくらいかかるのでしょうか?

原因となっている細菌やウイルスによって異なりますが、短くて2~3日、長くて1週間程度です。なので、およそ1週間は症状が続くことをあらかじめ覚悟しておいた方がいいでしょう。もちろん、ずっと辛い症状であることは少なく、だんだん症状は軽くなっていくはずです

 

■胃腸風邪の治療方法

細菌性かウイルス性かに関わらず「安静」を心掛けましょう

胃腸風邪は胃腸の調子が悪い状態が長く続く病気です。そのため、胃腸風邪の治療は基本的に症状を抑える対症療法が主体となります。腹痛や吐き気などに対しては、それぞれ痛み止めや吐き気止めなどといった薬で治療します。

下痢が続く場合は、その原因が細菌やウイルスによるものなら下痢止めは使用せずに整腸剤などの薬剤を使って胃腸の調子を整え、胃腸内に留まっている細菌やウイルスの排出を促していきます。

ただし、排出することも大切ですが、下痢や嘔吐が続く場合は脱水症状になる危険性もあるため、スポーツドリンクのようなナトリウムを含んだ飲料で水分補給を心がけましょう。

それでも脱水症状がひどい場合には病院を受診して「点滴」を行います

また、胃腸風邪になってしまった場合は胃腸が極端に弱った状態となっているため、なるべく消化の良いうどんやおかゆなどを摂取するように心掛けて胃腸に掛かる負担を軽減する工夫をしましょう。

 

■胃腸風邪の予防方法

*手洗いうがい・マスクの着用

感染している人の嘔吐や下痢などを処理した後の不十分な手洗いが原因となることも多く、汚物処理後や調理・食事前の手洗いを励行することは重要です。また、このような処理をする場合は、手袋やエプロンなどがあれば使用し、直接触れないようにしましょう。

 

*しっかりと消毒をする

汚物がついてしまった衣類やタオルはその辺に放置せず周囲に汚染しないようにしっかりと袋に入れましょう。そして、いつものように洗濯するのではなく、85度で1分間以上の熱湯消毒か次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしましょう。次亜塩素酸は、家庭用の塩素系漂白剤で代用できます。

 

*加熱処理

ノロウイルスによる食中毒を防ぐ場合は、十分な加熱処理が有効です。調理時や生ものを扱う際などは中心部まで火を通すなど十分注意しましょう。

 

*予防接種を受ける

胃腸炎の原因の一つにロタウイルスがありますが、このロタウイルスは乳児を対象に任意で予防接種を受けることができます。

 

*その他家庭内でできること

家庭内に感染者がいる場合は、手洗い後のタオルなどは共用せず個別に分けましょう。お風呂に入る場合も、症状のある人は最後にし、湯船のお湯は使い回しなどはせずに毎日変えるようにすると予防につながります。また、入浴後はしっかりと掃除をするように心がけましょう。

 

■最後に…

いかがでしたか、冬の胃腸風邪のピークは過ぎましたが、夏になるにつれてまた患者さんが増えてくるのが胃腸風邪です。感染してしまうととてもつらい症状が長く続きますのでしっかりと対策をして感染しないようにしたいですね

症状も病気の改善に伴い消失していくので長く続いても長くて1週間程度です。2週間やそれよりもっと長く続くようであれば一度専門医にかかり、必要であれば大腸内視鏡検査などを受けてみるのもよいかもしれません。

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