こんにちは。ららぽーと横浜クリニックです。

さて、前回は皮膚がんの特徴についてお話をしました。今回は引き続き皮膚がんの種類と症状や見分け方についてお話していきます。

是非、前回の皮膚がんの特徴を頭に入れたうえで読んでみてくださいね。

 

皮膚がんの種類

・悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性黒色種(メラノーマ)は、表皮の基底部に分布するメラニン色素を作り出す細胞である「メラノサイト」や、「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」というほくろの細胞が悪性化した皮膚がんの一種です。

この悪性黒色腫は、ごく初期の小さいものでも転移しやすく、リンパ管、血管を通って全身に転移するため皮膚がんの中でも一番凶悪であると言われています。子供でも発症することがまれにありますが男女差はありません。

日本では年間で10万人に約2人(1,500人~2,000人)の患者が発症しており、見た目はほくろにとても似ていることが多く、見つけにくい場所に発生することもあるので発見が遅れるとほかの臓器に転移が心配されます。色や形がいびつで急に大きくなるなど、少し疑わしいほくろを見つけたら、すぐに医師の診断を仰いで、早期発見することが大切です。

 

・基底細胞がん

「基底細胞がん」は、表皮の一番深い層である「基底層」や、表皮から真皮、皮下組織までを貫いている「毛包」という毛を包み込んでいる部分の細胞が悪性化したもので、日本人に最も多い皮膚がんです。通常のがん年齢よりも高齢者に多い傾向があり、頭や顔(上下のまぶた、鼻、上口唇の周り)に発生する人が約80%を占めていることから、太陽光(紫外線)の影響による可能性が非常に高いのではないかといわれています。悪性黒色腫(メラノーマ)と同じく、ほくろにとても似ていて、黒色から黒褐色で少し盛り上がっていることが多いです。

初期症状は、ほくろに似た小さな黒いおできです。これが数年かかって徐々に大きくなり、中心部が崩れて周辺部は堤防状に盛り上がってきます。通常、痛みや痒みなどの自覚症状はありません。

進行は非常に穏やかですが、放置すると筋肉や骨などの深い組織へと浸潤します。しかし、リンパ節や内臓への転移は非常にまれです。治療としては、外科手術(切除)となります。顔に出来ることも多いのですが、がんが進行すると、マージンをつけてより深く切除しなくてはいけないこともあるので要注意。そうなる前に、気になるほくろができたら早めに医師の診断をうけましょう。

 

・有棘細胞がん

有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)はその名のとおり、表皮の4層のうちの外側から3層目にある「有棘層」を構成する細胞から発生する皮膚がんの一種です。

基底細胞がんに次いで発生数が多い皮膚がんです。原因としては、紫外線の影響や「ヒト乳頭腫ウイルス」という、子宮頸がんの発症誘因としても知られるウイルスの関わりが注目されています。その他には、放射線治療後におこる慢性放射線皮膚炎などが挙げられます。有棘細胞がんは高齢者に多く、性別ではやや男性に多く、最近では平均寿命より高齢の発症が増加しています。

有棘細胞がんは、発生部位や原因、病期によって様々な症状を呈します。通常は皮膚が盛り上がり、中央が赤身の肉のように見え、表面はジクジクとして出血しやすく、進行すると腫瘍の形がカリフラワー様になることがあります。自覚症状はないことが多いのですが、神経浸潤を生じると強い疼痛を覚えるようになります。

 

皮膚がんの症状

痛みやかゆみ

大きくなったりするとがんであれば何かしらの症状があるのでは?と思うかもしれません。ですが。皮膚がんは通常は痛みやかゆみはありません。

ほくろであっても気になってむやみに触ったり、刺激するのはよくありません。「ほくろが刺激によって悪性化する」という考えもあるので、痛みやかゆみの症状が出たときは対処を知るためにも、皮膚科で診断を受けた方が良いですね。

 

「皮膚がん」と「ほくろ」の見分け方

■形が非対称

ほくろはふつう、完全な円ではない場合も、左右対称に発生し、固さも均一なことが多いです。多少形に歪みがあっても、中央を通る線を入れてみることを想像すると左右対称であることがわかります。しかし、どこから線を入れても左右対称にならない場合は、非対称といえます。

がんの形や色は発生する場所や、発生原因によっても異なります。皮膚がんの場合、細胞が異常に増加するため、ほとんど左右対称にはなりません。

 

■色がにじんでいる、境界線があいまい

端が薄くなっていたり、濃淡が混じっている、一部分の色がにじんでいるようになっていて境界があいまいになっているような場合も、皮膚がんの可能性があるようなので注意が必要です。「墨汁を落としたようににじんでいる」と表現されることもあります。

ほくろもがんも黒や濃い褐色が多いので色で見分けるのは難しく、ほくろは皮膚の深いところでメラニンが生成された場合、青く見えることもあります。

 

■徐々に成長している

皮膚がんの場合は、ほくろよりも早く成長していきますので、大人になってから出来て大きくなった場合や数年で6mmを超えた場合などは、皮膚科を受診して医師に診断してもらうのが安心です。ふつうの鉛筆の直径はだいたい7mmとのことなので、これに近い大きさの場合は要注意です。

ほくろに刺激を与えるのはよくないと言われています。もし、ブラのストラップやマスクの紐、眼鏡のツル、ショルダーバッグなどがよく当たってしまう場所にある場合は特に注意してください。

急に大きくなったかどうかを知るには、定期的に身体全体をチェックすることが必要です。毛髪に隠れた頭皮や、足の裏、背中側なども1年に1度は確認できるといいですね。

 

■急に数が増える

ほくろやシミも紫外線の影響を受けやすいので、急に増えることがあります。ただし、増えるだけでなく、急に大きくなるものがあれば前述のように皮膚がんを疑う必要があるかもしれません。ほくろやシミだったとしても、急に増えたということは過剰に紫外線の影響を受けている可能性があります。

前述のとおり皮膚がんの発生誘因として紫外線の影響が考えられるので、紫外線の強い海などにいかれる場合や、日常での紫外線対策は、今後のためにも見直す必要があるのかもしれません。

 

■凹凸の凸部が黒い

皮膚がんの場合、ほくろに見える部分の色が多彩な色調だったり、凹凸があって、出っ張っている部分の色が濃くなり、濃い黒に見える場合があります。真ん中が陥没して出血しているような場合も要注意です。

 

まとめ

どうですか?自分に当てはまるようなものはあったでしょうか。

皮膚がんは基本的に症状がないので怖いですよね。ほくろのほとんどは良性なのですが、いつの間にかできているものですから、普段から少し注意をして全身を見ておくのが良いかもしれません。

今回の記事も少し長くなってしまいましたので今回はここまでにしましょう。最終回は「皮膚がんの治療法」の予定ですので、こちらもお楽しみに。

 

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