ほくろ(黒子)や湿疹と似ている皮膚がん

印刷用ページ[2017/01/01] 皮膚科・アレルギー科

皆さん、こんにちは。あけましておめでとうございます。本年も、ららぽーと横浜クリニックをよろしくお願いします。

ときどき、新聞やネットメディアで「足の裏に出来る黒子は皮膚がんかも!」なんて書かれていることがあります。
「黒子だと思ってるけど皮膚癌だったらどうしよう」「日焼けがよくないって聞いたけど?」など疑問も多いですよね。
そこで今回は皆さんにも身近な「黒子と皮膚がん」について、数回に分けてお話していきます。

 

◆皮膚がんの特徴

1.黒子や湿疹に似ている

「皮膚がん」はほくろ(黒子)や湿疹によく似ている場合があります。そのため癌と気付かないまま発見が遅れて転移し、命に関わるような大事になってしまうことがあるんです。

表皮は、外側から「角層(かくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」の順になっており、一番深い基底層は「基底膜(きていまく)」で真皮とつながっています。


皮膚がんは、これらの層にある細胞が悪性化して癌になると考えられています。内臓に出来る癌と違って皮膚がんは体表にあるので見つけやすいように思えますが、実際には悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんはほくろ(黒子)に、有棘細胞がんは湿疹に似ていることも多く、早期発見に至らないケースも多いのです。

 

2.体中どこにでも出現する

人間の体はほぼ全身が皮膚で覆われていますので、皮膚がんは体中のどこにでも出現します。頭皮や背中、手足の付け根などの見つけ辛い場所に出来た場合、発見が遅れて癌が進行し、皮膚だけでなくほかの臓器などに転移してしまう危険性があります。

 

3.足の裏や爪にできやすい

「日本人の悪性黒色腫は足の裏に出来やすい」といわれています。日本人のメラノーマの約30%~40%は足の裏に発生します。また、爪の中や口の中に出来ることもあります。爪に生じた場合は皮膚とは違い、爪に黒褐色の縦のすじが現れ、半年~1年くらいの短い期間ですじの幅が太くなり色が濃くなっていきます。悪性黒色腫が進行すると爪が割れたりすることも。足の裏は、日光にあたることが少ないので紫外線の影響は少ないように思えますが、刺激が多いせいなのでしょうか。日本人に多いというのも不思議ですよね。

 

4.肌の白い人がなりやすい

白人では、ホクロの数が多い人はメラノーマを発症する危険性が高いといわれています。日本人では具体的な研究がないそうですが、色白(日焼けで肌が黒くなりにくい人)で、ホクロの数が多い方は、より注意が必要と考えられます。
「焼いても黒くならないから大丈夫」「焼けてもいいから日焼け止めは面倒だし塗らない」という方も、加齢により皮膚がんを発症するリスクは高まっていくようですから、紫外線対策はしておいた方がいいでしょう。

 

・・・いかがでしたか。

今回は皮膚がんの特徴についてお話させていただきました。特徴が分かったところで、「実際に黒子や湿疹に似ているとどうやって見分ければいいの?」「「皮膚がんにどんな種類があるの?」と、まだまだ疑問ばかりだと思いますが、今回はここまでにしておきます。

心あたりがあってドキッとした方もいるかもしれませんが、次回のブログでは「皮膚がんの種類や症状」などについて詳しくご紹介しますので、どうぞお楽しみに。


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