痔の日帰り手術~患者さんへの心遣い~

印刷用ページ[2015/09/15] 肛門科

以前は、痔の手術と言えば10日間入院が必要でした。

しかし、手術の技術や薬剤・周術期管理の進歩によって当院では、ほとんどの痔の手術が日帰りで可能になりました。

今回は、当院で日帰り手術を受ける患者さんはどんな方が多いのか、どんなニーズがあるのかなど、ご紹介していきたいと思います。

 

当院の痔の日帰り手術は、どんな患者さんが多い?

  • 入院する時間や予定を組めない方、お仕事の忙しい方
  • 早く手術を受けたい方
  • 「手術」を生まれて初めて受ける方
  • 遠方の方
  • 痔の手術をすると周りに知られたくない方

 

早く手術を受けたい方のために!

当院で手術を希望される患者さんには、「痔の症状を薬の使用で騙し騙しに過ごしていたがもう我慢できなくなった!」ということで手術を希望されて来院される方、ある日突然症状が悪化して来院される方、と色々な患者さんがいらっしゃいます。

共通しているのは「すぐに手術を受けたい」「早く治したい」ということです。

総合病院や入院が必要な病院の場合は1ヵ月後まで予約が取れなかったり、入院のスケジュールが合わなかったりと手術までの道のりはなかなか煩わしいものです。

そこで私たちが痔の症状に悩む患者さんを1日でも早く痛みと不快症状、不安を取り除く為に出来る事は「なるべく早く予約を取れるようにすること」です。当院では休診日(火曜日)以外の診療日には殆ど毎日手術の枠があります。もちろん土日祝日も枠があり、多いときには1日8件手術なんてこともあります。毎日休まず病院の中を走り回って時間とスペースの許す限り1人でも多くの患者さんが痔の症状から解放されるよう努力し、検査手術1週間以内が可能な状況をほぼ維持しています

もし院長のコピーロボットがいたら手術室をもう一つ用意して倍の患者さんの手術が出来るのですが…なんて、想像する時間ももったいないのでひたすら走り回っています。

日帰り手術を受けた患者さんのほとんどが「こんなに簡単なら早く手術すれば良かった!」と術後の消毒終了時に開放感を味わっていらっしゃいます。

もし、根治術を必要としない病状であれば、初診の診察時に痛みを取り除く処置を出来るかもしれません。悩まずにまずは受診してみてください。

 

「手術」を生まれて初めて受ける患者さんは緊張している?

ほとんどの患者さんは、自分に手術が必要になるのは、いつか年をとって大きな病気にかかった時だろう…と、思っていらっしゃったと言います。

やはり、痔の日帰り手術を受けられる患者さんの中には「こんな現役世代の年齢で手術を受けることになるとは!」「手術なんて初めて」・・・そんな患者さんが多いので、手術前はとても緊張していることが多いです。

緊張している患者さんにとっては、当院の手慣れた高い技術による手術時間の短さも、サービスのひとつです。しかし、患者さんはそんなことはわかってはいても当日ガチガチに緊張してしまっていたり、前日の夜は緊張して眠れない方もいらっしゃいます。

そんな患者さんのためにあったらいいな~と思うのが、ご希望の方への前日夜の睡眠導入剤や心が安定するお薬の処方です。あくまでも患者さんからの希望次第なので、不安があれば事前の受診時に教えてくださいね。

実は日帰り手術自体は10分程度(症状によっては5分なんてことも)で終了してしまうので「終わりましたよ~」とお声かけをするとご本人も拍子抜けしてしまうくらい楽に終わるのです。

 

遠方の患者さんへの配慮

当院の日帰り手術を受ける為にしばしば関西や東北、時々は海外から手術を受けにいらっしゃる患者さんも普通にいらっしゃいます。遠方よりいらっしゃるので、旅行するくらいの時間や金額がかかります。

「それでもここで手術を受けたい」

確かに、痔の日帰り手術については当院が日本で一番たくさん行っていますし、そのような患者さんのお声をいただけることはとても有難いことです。

遠方からの患者さんの負担を少しでも減らすことは出来ないのかと、と考えて行っているサービスが「どこでもドア」の開発やクリニック近隣地の宿泊施設の紹介です。

また、手術後翌日には傷口の診察と消毒が必要です。手術後にわざわざ飛行機に乗って自宅に帰ってまた翌日…なんて大変すぎますよね。また通常ならその後も1週間後や2週間後に消毒が必要なのですが、遠方からの患者さんには自宅近辺の病院にて消毒を受けられるよう紹介状を発行する事も可能です。お気軽にご相談下さい。

 

痔の手術をすると周りに知られたくない患者さんへの心遣い

一般の環境に居られる患者さんにとっては、「肛門科の門を叩くこと」、それ自体が大きな関門になっていて、まさか病院の中で「痔ですね~!」なんて周りに聞こえるように言われてしまったら大抵の患者さんは穴があったら入りたい…と恥ずかしく感じられるようです。

私たちのように毎日お尻と向き合っていると「お尻の診察」=「恥ずかしい」という感覚自体が無くなってくるのですが、患者さんとしては他人に知られるのも恥ずかしいのに知り合いや会社の同僚に知られたら生きていけない!くらいに感じる方もいらっしゃるようです。

日帰り手術+通院で治療が可能であれば、「1日風邪で休んでしまいました」で、翌日からデスクワークも出来るので誰にも知られることなく治療できますね。

また、当院ではどの患者さんが何科を受診するのか待合室の他の方には分からないようになっているのでクリニック内で恥ずかしさを感じる事もありません。症状についても問診票への記入になっているので会話を聞かれることもありません。「記入している最中、周りの視線が気になって…」という初診の方はHPに問診票がありますのでご自宅で症状を詳し~く記入されてお持ち下さい。

どうですか?「肛門科の門」、少しは叩きやすいようになりましたか?

 

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痔の日帰り手術後の生活について

 


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